映画「陰陽師」 20011008
ワーナー・マイカル・シネマズで映画「陰陽師」を観る。夢枕獏原作、滝田洋二郎監督、野村萬斎が安倍晴明、源博雅を伊藤英明が演じる。
事前知識ほとんど入れないまま行ったせいもあってか、純粋に映画世界を楽しんで、結構面白かった。血ぃ流れるシーンが多かったので血に弱い人は気持ち悪くなったのかもしれない。何人か「うぷ」って感じに途中で映画館を出ていったっけ…。
真田広之=道尊、面白そうに怪演。キョンキョン=青音、ちょっと老け役(年齢不詳なのだ)でかわいい感じじゃなかったのが残念。伊藤英明=博雅はのどやかにまっすぐな強さ、明るさが出ていて役にまあ合っていたかと思う。柄本明=元方、夏川結衣=祐姫の演技もなかなか見応えあり。
そして、晴明。野村萬斎ならではの演技だった。狂言師であることが生きていたように思う。腰がどっしりすわっていてそのくせ空気の重さを感じさせない演技、人であって人でないようなかげろうのような妖しさ、しかしまだ青年である者の雰囲気。伝統の重さや背景、子供の頃からの鍛錬といったような点では陰陽師と狂言師は実に通じるものがあるのではないだろうか。所作も安心して見ていられた。さすがだ。エンドロールで舞を披露しているので必見のこと。
あと、道尊・真田広之と晴明のワイヤーワーク使っての平安神宮(たぶん)で繰り広げられた殺陣。これは見応えがあった! 平安時代の自然や風景をもう少し楽しみたかったがこれは無い物ねだりか。ロケ以外のスタジオセットらしき場面では少々殺伐として人工的に過ぎたようにも。晴明邸の庭もセットっぽくていまひとつ…。ではあったものの、全体に画面は(邦画にともすればありがちな)せせこましさと貧乏くささの全くない、美しくとても誠実なものだった。CGを的確に使った画面はナチュラルに視覚と心に入ってきて気持ちよく観られた。
▼参考サイト
陰陽師公式サイト |